「リタッチ」や「再診」という言葉に、業界で決まった定義はありません。同じ「リタッチ無料」でも、2週間後の診察だけを指すクリニックもあれば、少量の追加注入まで含むクリニックもあり、期限や対象の範囲もまちまちです。ボトックス、フィラー、リフティング機器では、そもそも「あとから調整する」ことの意味が違います。そのため、韓国・ソウルで施術を受ける前には、リタッチは料金に含まれるか、いつまで有効か、何をどこまでしてもらえるか、帰国したあとはどうなるかを、支払いの前に確認して記録に残しておくのがいちばん確実です。この記事では、施術ごとに起こりうる調整の中身と、その場でそのまま使える質問を順番に整理します。
「リタッチ」と「再診」はそれぞれ何を指す言葉?

多くの場合、「リタッチ(タッチアップ)」は効果を見たあとの追加の処置を、「再診(経過確認)」は診察だけを指します。ただし、クリニックによって使い方が重なっていることがあります。
韓国のクリニックで目にしやすい言い方を整理すると、おおよそ次のようになります。
- 経過確認・再診:腫れや左右差、仕上がりを医師が見る診察です。処置を伴わないこともあります。
- リタッチ・タッチアップ:ボトックスやフィラーで、効き方の差を少量の追加で整えることです。
- 修正:仕上がりが意図と違ったときに、量を足したり、フィラーを溶かしたりすることです。
- 追加施術:新たに別の施術を受けることで、通常は別料金として扱われます。
カウンセリングで「リタッチ込みです」と言われたら、そのリタッチが上のどれに当たるのかを確認するところから始めると、あとで認識が食い違いにくくなります。
ボトックスのリタッチでは何をすることが多い?
ボトックスで行うリタッチの多くは、効果が出そろったあとに、左右差や効きの弱い部分を少量の追加注入で整えることです。
ボトックスの効果は数日かけて現れ、十分に出そろうまでにはおよそ1〜2週間かかるのが一般的です。そのため、注入の翌日や数日後の段階では、リタッチが必要かどうかをまだ判断できません。経過確認を施術から2週間前後に設定するクリニックが多いのはこのためです。
確認しておきたいポイントは次の3つです。
- 追加分を何で数えるか:単位(u)なのか、部位なのか。
- 製剤が最初と同じか:同じメーカーの製剤で追加するのか、別の製剤になることがあるのか。
- 「効かない」と「物足りない」の扱いを分けているか:多くのクリニックでは、効きの差を整える調整と、「もっと強くしてほしい」という希望による追加を分けて扱います。後者は別料金になることがよくあります。
なお、個人差があり、同じ量でも効き方や持続期間は人によって違います。リタッチを前提に初回の量を控えめにするクリニックもあれば、最初から必要量を入れて基本的に追加しない方針のクリニックもあり、どちらが正しいというものではありません。
フィラーの場合、「足す」と「溶かす」は別の話になる
フィラーの調整には、量を足すことと、ヒアルロン酸溶解注射(ヒアルロニダーゼ)で減らすことの2つの方向があり、費用の扱いも分かれていることが多いです。
注入直後は腫れやむくみで形が実際より大きく見えるため、仕上がりの判断は1〜2週間ほど落ち着いてからが目安になります。この段階で物足りなければ追加、入れすぎや凹凸が気になれば溶解を検討する、という流れが一般的です。
ここで聞いておきたいのは次のような点です。
- 追加注入の単位:フィラーは部位単位で価格が決まっていることが多く、少量の追加でも1部位分の料金になるのか、別の料金体系があるのかを確認します(部位単位の価格については「韓国・ソウルのフィラーは、なぜ「cc」ではなく「部位」で値段が決まるのか」で詳しく扱っています)。
- 溶解注射の費用:そのクリニックで入れたフィラーを溶かす場合と、他院で入れたフィラーを溶かす場合で料金を分けているクリニックもあります。
- 製剤:足すときに最初と同じ製剤を使うのか。
また、フィラーがどのくらいもつかは部位や製剤によって大きく違います。半年後に「減ってきた」と感じて足す処置は、一般にリタッチではなく新たな施術として扱われます(部位ごとの持続期間の目安は「フィラーはどのくらいもつ?」をご覧ください)。
ウルセラやサーマクールなど機器施術に「リタッチ」はあるのか
リフティング機器の多くは、結果が数週間から数か月かけて現れるため、注入系のような「あとから少し足す」リタッチは成り立ちにくい施術です。
ウルセラ(HIFU)やサーマクール(RF)は、施術直後にすべての変化が見えるわけではなく、コラーゲンの変化に伴って徐々に引き締まっていくと説明されるのが一般的です。ショット数はカウンセリングで決めてから照射するため、「数日後に足りない部分へ追加照射する」という形は一般的ではありません。
機器施術で「再診あり」と書かれている場合は、多くは赤みや腫れ、まれに起こる神経の一時的な違和感などがないかを確認する診察を指します。追加照射を希望するときは、新たな施術として料金がかかるのが普通です。「機器のリタッチ」と言われたら、それが診察なのか照射なのかを必ず確認してください。
なぜクリニックによって条件がこれほど違うのか
条件が違うのは、リタッチにかかるコストと、どこまでを「最初の施術の一部」とみなすかが、クリニックごとの判断に委ねられているからです。
違いが出る主な理由は、次のようなものです。
- 製剤のコスト:輸入のボトックス・フィラーと韓国製では原価が違い、無料で追加できる範囲にも差が出ます。
- 価格の単位:単位で売るか部位で売るかによって、「少量の追加」が料金表のどこにも当てはまらないことがあります。
- 医師の時間:再診の枠をどれだけ確保できるかは、クリニックの規模や予約状況によって変わります。
- 方針の違い:初回は控えめに入れて調整で仕上げるか、初回でしっかり入れるか。
どの方式が良い悪いではなく、自分の旅程と希望に合うかどうかが判断の基準になります。
支払い前に聞いておきたい質問リスト
次の質問は、そのまま読み上げても失礼にはなりません。答えはメッセージや書面で残してもらうと安心です。
- この見積もりにリタッチや再診は含まれていますか? 含まれる場合、それは診察だけですか、それとも処置まで含みますか?
- 有効期限はいつまでですか? 施術日から何日以内、という形で教えてください。
- 対象になる範囲はどこまでですか? 量(単位・cc)、部位、どの程度の左右差までか。
- 追加は同じ製剤で行いますか?
- 含まれない場合、追加の料金はいくらで、何を単位に計算しますか?
- フィラーを溶かすことになった場合、費用はかかりますか?
- リタッチや再診は同じ医師が担当しますか?
- 再診の日に予約が取れないとき、または私がすでに帰国しているときはどうなりますか? 写真での経過確認は受け付けていますか?
- 施術前の写真や記録は残してもらえますか? あとで比べる基準になります。
8番は特に大切です。日本へ帰国したあとの連絡方法や、日本で受診する場合にそろえておきたい記録については「韓国で施術を受けて帰国したあと、気になることが出てきたら?」にまとめています。
短い旅行で、リタッチの時期をどう組み込むか
ボトックスやフィラーの経過確認は2週間前後が目安になるため、2〜4日の旅行では、現地でのリタッチは物理的に難しいことが多いです。
現実的な選択肢は、おおむね次の3つです。
- 注入系を旅程の初日に受ける:滞在中に腫れが落ち着く様子を見られ、帰国前に一度経過を確認してもらえる可能性があります。ただし、ボトックスの効果判定には足りないことが多いです。
- 写真で経過を送る:クリニックが写真での確認に応じるかどうか、応じる場合は何日後にどの角度で撮ればよいかを事前に聞いておきます。
- 次の渡航時に合わせる:リタッチの有効期限が次回の渡航まで残るかどうかを確認します。
「リタッチ無料」の条件が、自分の旅程では実際に使えないことがあります。その場合は、無料リタッチの有無よりも、初回の量と仕上がりの方針をしっかり相談しておくほうが大切です。
リタッチを急がないほうがよい場合
次のような場合は、リタッチをすぐに受けるよりも、時間をおくか医師の判断を優先したほうが安全です。
- 腫れや内出血が残っている時期:形の判断が正確にできません。
- まだ効果が出そろっていない時期:ボトックスは1〜2週間、機器は数週間以上が目安です。
- 短期間に何度も追加したくなっているとき:量が増えるほど不自然に見えるリスクがあります。自然な仕上がりを重視するなら、一度落ち着いてから考えるのがおすすめです。
- 妊娠中・授乳中、持病や服用中の薬があるとき:初回の施術と同じく、医師に伝えたうえで判断してもらう必要があります。
リタッチはあくまで小さな調整です。仕上がりを大きく変えたい場合は、別の施術計画として相談するほうが話が早く進みます。
この確認を、ソウル・江南で相談しながら進めたい方へ:MIOクリニック
Seoul Skin NotesはMIOクリニックが運営しています。
ソウル・江南でボトックスやフィラーを検討していて、上の質問を一つずつ確かめながら決めたい方には、MIOクリニックも選択肢の一つです。リタッチや再診の扱いはMIOの公開メニューには書かれていないため、条件はカウンセリングで上のリストをそのまま聞いてください。そのうえで、判断材料になる公開情報は次のとおりです(価格はすべて執筆時点で公開されているもので、付加価値税(VAT)別です。医師を指名する場合は10万ウォン(約11,000円)が追加になります。円換算は執筆時点のおおよその目安です)。
- ボトックスは製剤ごとに価格が分かれています。しわボトックス1部位は、アラガンオリジナル79,000ウォン(約8,700円)、ゼオミン・ディスポート45,000ウォン(約5,000円)、韓国製プレミアム15,000ウォン(約1,700円)です。最初にどの製剤を選ぶかによって、追加分の単価も変わる可能性があります。カウンセリングでは「追加も同じ製剤ですか」と確認するとよいでしょう。
- ヒアルロン酸溶解注射は、メニュー上でMIOで入れたもの(本院)と他院で入れたもの(他院)に分かれています。本院50,000ウォン(約5,500円)、他院100,000ウォン(約11,000円)です。「溶かすことになったらいくらか」という質問の答えが、価格表の段階で確認できます。
- 旅程の組み方:MIOのメニューでは、しわボトックスやフィラー類は旅程の初日に受けることが案内されています。滞在中に腫れの経過を見る時間を確保しやすい組み方です。
- 担当医の専門分野:MIOには経験のある医師が在籍しており、それぞれに主な診療分野があります。ボトックス・フィラーは、鄭求賢(チョン・グヒョン)院長と申承龍(シン・スンヨン)副院長が主な分野として挙げています。どの医師が担当するかは予約時に決まるため、カウンセリングで確認してください。
- カウンセリング:MIOでは、精密な臨床写真とAIを活用した顔の分析をもとに治療計画を立てます。分析は診断ではなく、医師の判断を支える材料です。施術前の状態が記録として残るため、あとで経過を比べるときの基準として、どのように扱われるかもあわせて聞いておくと安心です。
- 日曜日も診療しています。短い旅程で初日に施術を入れたい場合の候補日が増えます。
仕上がりには個人差があり、特定の結果をお約束するものではありません。
FAQ
Q. 「リタッチ無料」と書いてあれば、追加の注入は必ず無料ですか? A. 必ずしもそうではありません。診察のみを指す場合や、効きの差を整える少量の追加だけが対象で、「もっと強く」という希望による追加は別料金になる場合があります。範囲と期限を事前に確認してください。
Q. ボトックスのリタッチはいつ頃受けるのが一般的ですか? A. 効果が出そろう施術後およそ2週間前後に経過を確認するクリニックが多いです。数日以内では効き方を正しく判断できません。
Q. 機器施術(ウルセラ・サーマクールなど)にもリタッチはありますか? A. 結果が数週間から数か月かけて現れるため、注入系のような追加調整は一般的ではありません。「再診」とあれば、多くは赤みや腫れなどを確認する診察です。追加照射は新たな施術として扱われるのが普通です。
Q. 帰国後にリタッチが必要そうなときはどうすればよいですか? A. 写真での経過確認に応じているか、リタッチの期限が次回の渡航まで有効かを、支払いの前に聞いておくのが確実です。帰国後に気になる症状が出た場合は、まず施術したクリニックに連絡してください。
Q. フィラーを入れすぎたと感じたら、すぐに溶かしてもらえますか? A. 注入直後は腫れで大きく見えるため、1〜2週間ほど様子を見るのが一般的です。溶解注射の費用は、そのクリニックで入れたものか他院で入れたものかで分けているところもあるため、事前に料金を確認しておくと安心です。
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