ボトックスとフィラーは、同じ日にまとめて受けることが珍しくない組み合わせです。役割が違うためです。ボトックスは筋肉の動きをゆるめて、表情じわや筋肉のボリュームに働きかけます。フィラーは、くぼみや足りないボリュームを補います。同じ日に受ける場合、施術の順番は医師によって違います。「ボトックスが先」でも「フィラーが先」でも、それぞれに理由があります。また、仕上がりを細かく調整したい部位では、あえて日を分けることもあります。どちらの組み合わせでも、リスクがゼロになるわけではありません。この記事では、順番の考え方、日を分けたほうがよいケース、リフティング機器を同じ日に足す場合の注意点、短い旅行への組み込み方を順に説明します。
ボトックスとフィラーを同じ日に受けることは多いのですか?

はい、同じ来院でまとめて受ける方は少なくありません。理由は主に3つあります。
- 悩みの原因が1つではないことが多いため:たとえば口元では、口角を下げる筋肉の動き(ボトックスの対象)と、ほうれい線やマリオネットラインのくぼみ(フィラーの対象)が同時に関わっていることがあります。片方だけでは、気になる部分が残ることがあります。
- 来院回数を減らせるため:海外から短い日程で来る方にとっては、1回のカウンセリングと1回の施術で済むことが大きな利点です。
- 全体のバランスを1回で見られるため:医師が顔全体を診て、どこに何をどれだけ使うかを一度に計画できます。
ただし、「同じ日にできる」ことと「同じ日にするのが最適」なことは同じではありません。部位や目的によっては、日を分けたほうが調整しやすいこともあります。後半で説明します。
同じ日に受けるとき、順番はどうなることが多いですか?
決まったルールはなく、医師の考え方や部位によって変わります。よく見られるのは次の2つです。
ボトックスを先にする考え方
- フィラーは注入後に形を整えるため、指で軽く押さえたりマッサージしたりすることがあります。ボトックスをした場所を強く押すと、薬剤が意図しない範囲に広がる可能性があると考え、ボトックスの部位に触れない段取りを組みやすくするために先に打つ医師がいます。
- 打つ部位が額・眉間・目尻など上顔面で、フィラーが中顔面や下顔面であれば、場所が離れているため順番の影響は小さいと考える医師もいます。
フィラーを先にする考え方
- まず形やボリュームを整えてから、表情の動きを見てボトックスの量や位置を決めたいという考え方です。
- 口元のように、フィラーとボトックスの効果が同じ場所で重なる部位で選ばれることがあります。
どちらが正しいということではありません。カウンセリングでは「今日はどちらから打ちますか」「その理由は何ですか」と聞いてみてください。説明に納得できるかどうかも、クリニックを選ぶうえでの判断材料になります。
日を分けたほうがよいのはどんなときですか?
次のような場合は、ボトックスとフィラーを数日から2週間ほど空けて受ける考え方もあります。
- 仕上がりを細かく見たいとき:ボトックスは打った直後には効果が出ません。一般的には数日で効き始め、落ち着くまでに2週間ほどかかるとされています(個人差があります)。筋肉がゆるんだ状態を見てからフィラーの量を決めたほうが、入れすぎを防ぎやすい部位もあります。
- 口元・口角まわり:筋肉の動きとボリュームが重なる場所なので、段階的に進めたほうが左右差を確認しやすいことがあります。
- 初めての施術:初めて受ける場合は、どちらの施術でどんな反応が出たのかを分けて確認できる利点があります。
一方、旅行中は日を分けるのが難しいことも多いと思います。その場合は、同じ日にまとめて受けたうえで、出発前にもう一度診てもらう日程を組んでおくのが現実的です。
リフティング機器も同じ日に受けたい場合はどうなりますか?
ウルセラなどの高密度焦点式超音波(HIFU)や、サーマクールなどの高周波(RF)は、熱を使ってお肌の深い層に働きかける機器です。注射と同じ日に組み合わせる場合、機器を先に、注射を後にする段取りがよく取られます。理由は次のとおりです。
- 機器の施術では、ハンドピースを顔に当てて押さえます。フィラーやボトックスの直後にこれを行うと、注入したものに圧や熱がかかります。
- 注射のあとは小さな腫れや内出血が出ることがあり、機器を当てる面の状態が変わります。
部位や機器の種類によっては、注射と機器を別の日に分けることを勧める医師もいます。HIFUは麻酔クリームを使うことが多く、全体の滞在時間も長くなります。3つ(ボトックス・フィラー・機器)を1日に詰め込む場合は、所要時間と、その日のうちに予定を入れないことも合わせて確認してください。
各機器の違いについては、ウルセラ・サーマクール・オリジオ・シュリンクの比較記事にまとめています。
ダウンタイムと、よくある反応は?
同じ日に受けると、それぞれの施術の反応が重なって出ます。一般的には次のような反応がみられます。
- 注射部位の赤み・小さな腫れ:当日から数日。
- 内出血:出る方と出ない方がいます。数日から1〜2週間で消えることが多いです。
- フィラーの腫れ:部位によっては数日続きます。唇や目の下は腫れが目立ちやすい傾向があります。
- ボトックスの効き方:数日かけて徐々に効いてきます。直後に変化がなくても異常ではありません。
日ごとの経過については、施術後の腫れの経過をまとめた記事で詳しく説明しています。
リスクとして知っておきたいこと
- ボトックス:左右差、まぶたや眉が下がる感じ、表情の違和感など。多くは一時的ですが、効果が切れるまで続くこともあります。
- フィラー:左右差、しこり、感染、まれに血管への影響(皮膚の色の変化や強い痛み)があります。血管への影響は早めの対応が必要なため、施術後に強い痛みや皮膚の白っぽい・紫っぽい変化があれば、すぐにクリニックへ連絡してください。
- 2つを同じ日に受けても、それぞれのリスクがなくなるわけではありません。反応が出たときにどちらの施術によるものか、見分けにくくなる場合もあります。
持続期間の目安(個人差が大きいです)
- ボトックス:一般的には数か月程度。
- フィラー:部位や製剤によって数か月から1年以上と幅があります。部位ごとの違いはフィラーの持続期間の記事をご覧ください。
同じ日の組み合わせを避けたほうがよいのはどんな方ですか?
次のような方は、施術そのものを控えるか、事前に医師へ詳しく相談してください。
- 妊娠中・授乳中の方
- 施術する部位に炎症、ニキビの強い化膿、ヘルペスなどがある方
- 神経や筋肉に関わる持病がある方
- 血液をサラサラにする薬やサプリメントを使っている方(内出血が出やすくなることがあります)
- 数日以内に写真撮影や大事な予定がある方
- 過去に注入後のトラブルがあった方
「今日すべてやりたい」という希望があっても、診察の結果、一部を見送ることを提案されることがあります。それは慎重に判断している結果だと考えてください。
短い旅行に組み込むなら、どの日に受けますか?
2泊3日〜4泊5日程度の旅行であれば、ボトックスとフィラーは旅程の前半、できれば初日に受ける組み方が一般的です。
- 腫れや内出血が落ち着くまでの時間を、旅行中に確保できます。
- 帰国前にもう一度クリニックで状態を診てもらう余裕ができます。
- 施術当日と翌日は、飲酒・サウナ・激しい運動を控えるよう案内されることが多いため、その日の観光は軽めにしておくと安心です。詳しくは施術後の運動・サウナの記事をご覧ください。
機器も同じ旅行で受ける場合は、注射と同じ日にまとめるか、別の日に分けるかを予約の段階で相談しておくと、当日の時間配分を決めやすくなります。帰国便の当日に注射を受けるのは、トラブルが起きたときにクリニックで診てもらえないため、おすすめしにくい組み方です。
フィラーを初日に入れる理由は、フィラーを旅行初日に入れる理由の記事でも詳しく説明しています。
ボトックスとフィラーを同じ日に受けたい方へ:MIO Clinicという選択肢
Seoul Skin Notes は MIO Clinic が運営しています。
1回の来院でボトックスとフィラーをまとめて相談したい方には、ソウル・江南の MIO Clinic も選択肢の一つです。公開されているメニューから、この記事のテーマに関係する点を紹介します(価格はすべて記事執筆時点で公開されているもので、付加価値税(VAT)別です。円換算はおおよその目安です)。
- 口元をまとめて整えるメニュー:「唇フィラー + 口角ボトックス (韓国製)」が KRW 109,000(約12,000円)で1行になっています。フィラーとボトックスの組み合わせが1つのメニューとして用意されている例です。
- しわボトックスは「部位数」で価格が決まります:アラガンオリジナルの5部位が KRW 279,000(約31,000円)、3部位が KRW 189,000(約21,000円)です。ゼオミン・ディスポートや韓国製のラインもあり、同じ部位数でも製剤によって価格が変わります。
- フィラーは「部位」で価格が決まり、各部位に輸入と韓国製の2行があります:たとえば唇フィラーは、ジュビダーム・レスチレン・ベロテロのラインが KRW 349,000(約38,000円)、韓国製が KRW 99,000(約11,000円)です。何ccを使うかはカウンセリングで決まります。
- 旅程の目安:MIO の価格表では、しわボトックスもフィラーも「初日(first_day)」に受けることが目安とされています。一方、ウルセラプライムやサーマクールは日程の制約がない(any)とされており、注射と機器を別の日に分けたい場合も組み込みやすくなっています。
- 医師:MIO には経験のある医師が在籍しています。ボトックス・フィラー・リフティングは、院長の정구현(Jung Guhyun)医師と신승용(Shin Seungyong)医師の主な診療分野です。どの医師が担当するかは予約時に決まるため、希望があればカウンセリングで相談してください。医師を指名する場合は KRW 100,000(約11,000円)が加算されます。
- カウンセリング:詳細な臨床写真の撮影とAIを活用した顔の分析で顔全体を評価してから、施術計画を立てます。分析は医師の判断を補うためのもので、最終的な判断は医師が行います。
- 日曜日も開いています:平日に時間を取りにくい方や、週末を含む短い旅行の方も日程を組みやすくなっています。
仕上がりには個人差があり、ここに挙げた価格どおりの組み合わせがすべての方に合うとは限りません。順番や日を分けるかどうかも含めて、カウンセリングで医師と相談したうえで決めることをおすすめします。
FAQ
Q. ボトックスとフィラーは同じ日に受けても大丈夫ですか? A. 同じ日に受けることは珍しくありません。ただし、リスクがなくなるわけではなく、部位によっては日を分けたほうが調整しやすい場合もあります。医師の診察を受けてから決めてください。
Q. 順番はボトックスとフィラーのどちらが先ですか? A. 決まったルールはありません。ボトックスの部位を押さないよう先に打つ医師もいれば、ボリュームを整えてから表情を見るためにフィラーを先にする医師もいます。当日に順番と理由を聞いてみてください。
Q. ウルセラやサーマクールも同じ日に受けられますか? A. 組み合わせることはあります。その場合は、機器を先に、注射を後にする段取りがよく取られます。別の日に分けることを勧める医師もいます。
Q. ボトックスの効果はいつ出ますか? A. 一般的には数日で効き始め、落ち着くまでに2週間ほどかかるとされています。個人差があります。
Q. 旅行中に受けるなら、どの日がよいですか? A. 腫れが落ち着く時間と、帰国前の再診のための時間を取れるよう、旅程の前半、できれば初日に受ける組み方が一般的です。帰国当日の注射は避けたほうが安心です。
Q. 施術後に注意すべき症状はありますか? A. 強い痛み、皮膚が白っぽくなったり紫っぽくなったりする変化、時間がたっても強くなる腫れがあれば、すぐにクリニックへ連絡してください。
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