韓国・ソウルのフィラー価格表に「輸入」と「韓国製」が2行並ぶのはなぜ?|同じ部位で2〜3倍以上の価格差が何を意味するのか、見積もりがどちらの製品か確かめる質問を解説

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韓国・ソウルのクリニックでフィラーの価格表を見ると、同じ「唇」や「鼻」が2回出てくることがよくあります。片方には「ジュビダーム, レスチレン, ベロテロ」のような輸入ブランド名が、もう片方には「韓国製」と書かれていて、価格は2倍から3倍以上違います。この2行の差は、注入する部位や手技の違いではなく、使う製品(メーカー)の違いです。 どちらもヒアルロン酸フィラーで、価格差だけを見て「高いほうが良い」「安いほうで十分」とは決められません。大切なのは、受け取った見積もりがどちらの製品の金額なのかを、施術前に製品名で確かめておくことです。

この記事では、MIO Clinic(ソウル・江南)が公開している価格表を例に、2行に分かれる理由、輸入ラインと韓国製ラインで実際に何が違うのか、そしてカウンセリングで確認したい質問を整理します。

なぜ同じ部位が価格表に2回出てくるのですか?

Seoul aesthetic clinic
Photo: Vitaly Gariev / Pexels.

同じ部位でも、使うフィラー製品のメーカーが違えば仕入れ値が違うため、クリニックは製品ごとに価格行を分けて表示しています。

韓国では、海外ブランドのヒアルロン酸フィラーと、韓国国内のメーカーが製造するヒアルロン酸フィラーの両方が流通しています。海外ブランドは輸入・流通のコストがかかる一方、韓国製は国内で製造されるため、同じ部位・同じ施術時間でも価格に大きな差が出ます。

MIOの価格表では、輸入ラインは「(ジュビダーム, レスチレン, ベロテロ)」、国内ラインは「(韓国製)」と括弧で表記されています。部位の名前(鼻、唇、あご先など)が同じでも、括弧の中が違えば別の製品を使う別のメニューです。価格表を読むときは、まず部位名ではなく括弧の中を見るのが基本になります。

なお、フィラーが「cc」ではなく「部位」で値段が決まる仕組みそのものについては、韓国・ソウルのフィラーは、なぜ「cc」ではなく「部位」で値段が決まるのかで詳しく解説しています。

MIOの価格表では、部位ごとにどれくらい差がありますか?

執筆時点でMIOが公開している価格では、同じ部位で輸入ラインが韓国製ラインのおよそ2.5倍〜3.5倍になっています。

以下は、MIOの公開価格表から両方の行がある部位を抜き出したものです。価格はすべてVAT(付加価値税)別、執筆時点で公開されていたもので、円換算は1ウォン=約0.11円で計算したおおよその目安です(為替は日々変わります)。

部位(MIOの表記)輸入ライン(ジュビダーム, レスチレン, ベロテロ)韓国製ライン
鼻フィラーKRW 399,000(約4.4万円)KRW 159,000(約1.7万円)
唇フィラーKRW 349,000(約3.8万円)KRW 99,000(約1.1万円)
顎先フィラーKRW 299,000(約3.3万円)KRW 99,000(約1.1万円)
フィラー(ほうれい線/前頬/側頬)KRW 349,000(約3.8万円)KRW 99,000(約1.1万円)
フィラー(額/眉間/こめかみ)KRW 349,000(約3.8万円)KRW 129,000(約1.4万円)
フィラー(フェイスライン/マリオネット)KRW 349,000(約3.8万円)KRW 99,000(約1.1万円)

表から読み取れることがいくつかあります。

  • 差の大きさは部位によって違います。 鼻は約2.5倍、唇は約3.5倍です。「輸入はいつも○倍」という決まった比率はありません。
  • 輸入ラインは3ブランドがまとめて1行です。 「ジュビダーム, レスチレン, ベロテロ」は1つの価格で表示されていて、実際にどのブランドを使うかは、この行だけでは分かりません。
  • 韓国製ラインのメーカー名は表に書かれていません。 「韓国製」という表記だけなので、具体的な製品名はカウンセリングで確認する必要があります。

この価格はいずれも「その部位を施術する場合」の公開価格で、必要な量や最終的な金額は診察で決まります。また、MIOでは担当医師を指名する場合、KRW 100,000が別途加算されます。

輸入ラインしかない部位もあります

涙袋と額・首の一部の施術は、MIOの価格表では輸入製品の1行しかありません。

  • 涙袋フィラー(ベロテロソフト):KRW 349,000(約3.8万円)
  • 額/首フィラー(ベロテロソフト):KRW 299,000(約3.3万円)

どちらも「ベロテロソフト」という特定の製品名が書かれていて、韓国製の行はありません。目の下や首のように皮膚が薄い部位では、製品の柔らかさや注入する層が仕上がりに影響しやすいため、クリニックが製品を指定してメニューを作っていると考えられます。こうした部位で「韓国製の安いほうはありますか」と聞いても、メニュー上はその選択肢がないことになります。

反対に、「唇フィラー + 口角ボトックス (韓国製)」KRW 109,000(約1.2万円)のように、韓国製の製品で組まれたセットメニューもあります。

輸入ラインと韓国製ラインは、実際に何が違うのですか?

違いはメーカー、製品の設計(ジェルの硬さや粒子、架橋の方法など)、製品ラインナップ、そして各国での承認・使用の歴史です。主成分がヒアルロン酸である点は共通しています。

具体的には、次のような点が異なります。

  • メーカーと製造技術。 ヒアルロン酸フィラーはヒアルロン酸を「架橋」してジェル状にした製剤で、架橋の方法やジェルの硬さ・弾力・なめらかさはメーカーや製品ごとに異なります。同じブランドの中でも、深い層用・浅い層用・唇用など、用途別に複数の製品があるのが一般的です。
  • 使われてきた地域と期間。 ジュビダーム、レスチレン、ベロテロは欧米を中心に長く使われてきたブランドです。韓国製フィラーは韓国の規制当局の承認を受けて国内で広く使われており、製品によっては海外にも輸出されています。
  • 価格。 前述のとおり、輸入・流通のコストが価格差の大きな要因です。

ここで正直にお伝えしたいのは、「輸入だから仕上がりが自然」「韓国製だから長持ちしない」と一律には言えないということです。仕上がりや持ちは、製品そのものの性質に加えて、部位、注入する層と量、医師の手技、そしてその方の体質や表情の動きで大きく変わります。同じ「輸入ライン」の中でもブランドや製品によって性質が違いますし、「韓国製」の中にもさまざまな製品があります。

そのため、価格差は「品質の差」として読むより、「別の製品を選んでいる」と読むほうが実態に近いです。どちらが合うかは、部位と目的を見たうえで医師と相談して決めるものです。

MIOでは、施術前に詳細な臨床写真の撮影とAIを用いた顔の分析を行い、そのデータをもとに医師が施術計画を立てます。分析は診断をするものではなく、医師が部位や量、製品を判断するための材料です。フィラーを主な分野のひとつとしている医師は、チョン・グヒョン院長(ボトックス、フィラー、リフティング、スキンブースター、レーザー)とシン・スンヨン医師(リフティング、ボトックス、フィラー、輪郭、アンチエイジング)で、いずれも経験のある医師です。どの医師が担当するかは予約時に決まるため、輸入ラインと韓国製ラインのどちらが自分の希望部位に向いているかは、カウンセリングの場で直接聞いてみてください。

持続期間やダウンタイムは、ラインによって違いますか?

ダウンタイムの出方は製品のラインより、部位・注入量・個人差による影響が大きいのが一般的です。持続期間も、輸入か韓国製かだけでは決まりません。

ヒアルロン酸フィラーの一般的な経過は次のとおりです。

  • 当日〜数日: 注入部位の腫れ、赤み、軽い痛みや違和感が出ることがあります。唇は腫れが目立ちやすい部位です。
  • 内出血: 針を刺した場所に内出血が出ることがあり、消えるまで1〜2週間かかる場合もあります。
  • なじむまで: 形が落ち着くまで1〜2週間ほどかかるのが一般的です。
  • 持続期間: 一般的には数か月から1年以上と幅があり、製品、部位(よく動く唇は短めになりやすい傾向があります)、体質で変わります。「何か月持つ」とお約束できるものではありません。

MIOの価格表では、フィラーはほとんどが麻酔を使うメニューで、旅程の目安はすべて「初日」です。ソウル滞在中に腫れが落ち着く時間を取り、必要なら帰国前に状態を確認してもらうための配置です。日程の組み方は韓国・ソウル旅行でヒアルロン酸フィラーを「初日」に入れる理由で詳しく解説しています。

まれですが重い合併症として、フィラーが血管に入ったり血管を圧迫したりする「血管閉塞」があります。鼻や眉間は一般的にリスクが高い部位とされています。施術後に強い痛み、皮膚の色が白くなる・紫色になる、視界の異常などがあれば、すぐにクリニックへ連絡してください。これは輸入ライン・韓国製ラインのどちらでも起こりうるもので、製品の価格で防げるものではありません。

見積もりがどちらの製品か、どう確かめればいいですか?

見積もりを受け取ったら、部位名だけでなく「製品名(ブランド名と製品名)」を確認し、記録に残しておくのが確実です。

カウンセリングでは、次のような質問をすると行き違いを防げます。

  1. 「この金額は、輸入ラインと韓国製ラインのどちらですか?」 部位名だけの見積もりでは、どちらか分からないことがあります。
  2. 「輸入ラインの場合、ジュビダーム・レスチレン・ベロテロのどれを使いますか?製品名も教えてください」 MIOの価格表では3ブランドが1行にまとまっているため、具体的な製品は確認しないと分かりません。
  3. 「韓国製の場合、メーカーと製品名は何ですか?」 価格表には「韓国製」としか書かれていないので、名前を聞いておきます。
  4. 「この部位で、輸入と韓国製のどちらを勧める理由は何ですか?」 理由を聞くと、自分の目的と合っているか判断しやすくなります。
  5. 「提示額はVAT込みですか、別ですか?医師の指名料は含まれていますか?」 MIOの公開価格はVAT別で、医師指名は別途KRW 100,000です。

製品名を控えておくことは、帰国後にも役立ちます。日本のクリニックで追加の注入や、仕上がりの相談、溶解(ヒアルロニダーゼ)をお願いするとき、「何をどこに入れたか」が分かると医師が判断しやすくなるからです。記録の残し方は韓国・ソウルで施術を受けたら、どんな記録をもらっておくべき?にまとめています。

なお、輸入ラインも韓国製ラインもヒアルロン酸フィラーであれば、ヒアルロニダーゼで溶かすことができます。MIOの価格表では「ヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸溶解注射)」がKRW 50,000、他院で入れたフィラーの溶解は「ヒアルロン酸溶解注射(他院)」としてKRW 100,000で別の行になっています(いずれもVAT別、執筆時点)。

フィラーそのものが向いていないのはどんな場合ですか?

製品のラインを選ぶ前に、そもそもフィラーを控えたほうがよい場合があります。

  • 妊娠中・授乳中の方
  • 注入する部位に炎症、ニキビの化膿、ヘルペスなどの感染がある方
  • フィラーの成分や局所麻酔にアレルギーの既往がある方
  • 抗凝固薬などを服用していて、内出血が起こりやすい方(自己判断で中止せず、主治医と相談してください)
  • 短期間で大きな変化を求めている方。フィラーは量を足して形を整える施術で、1回で劇的に顔立ちを変えるものではありません
  • たるみが主な悩みの方。ボリュームを足すより、リフティングなど別の施術が合う場合があります

当てはまるかどうか迷う場合は、カウンセリングで既往歴や服用中の薬をすべて伝え、医師の判断を仰いでください。

FAQ

Q. 輸入ラインのフィラーのほうが、仕上がりは自然になりますか? A. 一律には言えません。仕上がりは製品の性質だけでなく、部位、注入する層と量、医師の手技、体質で変わります。どちらが自分の目的に合うかは、カウンセリングで理由とともに確認するのが確実です。

Q. 韓国製フィラーは持ちが短いのですか? A. 持続期間は製品、部位、体質によって幅があり、輸入か韓国製かだけでは決まりません。一般的には数か月から1年以上と幅があり、よく動く唇は短めになりやすい傾向があります。

Q. MIOの価格表で「ジュビダーム, レスチレン, ベロテロ」と書かれた行は、3つを混ぜて使うのですか? A. 価格表上で3ブランドが同じ価格の1行にまとめられているということで、どの製品を使うかは行の表示だけでは分かりません。カウンセリングで具体的なブランド名と製品名を確認してください。

Q. 涙袋に韓国製フィラーは選べますか? A. 執筆時点のMIOの価格表では、涙袋フィラーは「ベロテロソフト」KRW 349,000(VAT別)の1行のみで、韓国製の行はありません。

Q. 帰国後に日本のクリニックで溶かすことはできますか? A. ヒアルロン酸フィラーであれば、輸入・韓国製を問わずヒアルロニダーゼで溶かすことが可能です。日本のクリニックで相談しやすいよう、注入した製品名・部位・日付を記録して持ち帰ることをおすすめします。

Q. 見積もりの金額にVATや医師指名料は含まれていますか? A. MIOの公開価格はVAT別です。医師を指名する場合はKRW 100,000が加算されます。最終的な金額は診察で決まるため、提示額に何が含まれているかをその場で確認してください。


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